ジャーナリングとは、日記のように
自分の考えや気持ちを書き出すことです。
最近では、紙に書く方法(手書き)
だけでなく、スマホやパソコンを使って
キーボードで入力する方法も増えてきました。
では、ジャーナリングをするなら、
手書きとキーボードのどちらが良い
のでしょうか?
結論から言うと、
手書きの方がおすすめ です。
僕はアプリでのキーボード入力、
手書き両方でジャーナリングをしたことが
ありますが、手書きの方がより本音を
書ける感覚がありました。

その理由を、手書きとキーボードそれぞれの
メリット・デメリットを見ながら
説明していきます。
手書きのメリット
1. 記憶の定着が良くなる
手書きは、視覚・運動・認知の
複数の脳領域を同時に使います。
たとえば:
- 文字の形を思い出す(視覚・記憶)
- ペンを動かす(運動)
- 内容を理解しながらまとめる(認知)
これらの複雑なプロセスが
連携することで、情報が脳に深く刻まれ、
長期記憶に残りやすくなります。
ノルウェー科学技術大学の研究では、
手書きの方がパソコン入力よりも
脳の活動が活発になることが、
脳波測定で確認されました。

2. 思考の整理がしやすい
手書きはパソコンよりも
スピードが遅いため、
情報をそのまま写すのではなく、
要約・整理しながら書くことに
なります。
このプロセスにより、
自分の考えを構造化しやすくなり、
「何を大事だと感じているか」
「どういう順番で伝えたいか」
などをメタ認知的に把握
できるようになります。
3. 創造性が高まる
手書きは自由度が高いため、
矢印を引いたり、余白に絵を描いたりと、
非線形的な発想を助けます。
このような自由な表現方法が、
アイデアの連想・発展を促し、
創造的な思考に結びつきやすくなります。
4. 感情とのつながりが強くなる
手書きは、文字にその人らしさや
感情が表れやすい表現方法です。
「この時は焦っていた」
「この文字は丁寧に書いている」
など、感情の揺れが筆跡に
反映されやすいため、
自己理解や感情処理に役立つ
という点でも、脳に良い刺激を与えます。

手書きは単なる「昔ながらの方法」
ではなく、記憶・思考・創造性・感情の
すべてにポジティブな影響を与える、
脳にとって非常に豊かな活動です。
特に自己探求の場面では、
デジタルよりも手書きが圧倒的に
効果的であることが、
研究や実体験の中で
証明されつつあります。
手書きのデメリット
1. 書くのに時間がかかる
キーボードに比べて、手書きは
文字を書くスピードが遅いです。
そのため、時間に限りがある場合は
書くのが追いつかない
ことがあります。
2. 書いたものを検索しにくい
手書きの場合、 あとで見返したい内容を
すぐに探すのが難しいです。
キーボードで入力すれば、検索機能を
使って簡単に見つけることができます。
キーボードのメリット
1. 速く書ける
キーボードを使うと、 手書きよりも
速く文章を打つことができます。
そのため、考えたことをすぐに
記録できます。
2. 編集や検索がしやすい
キーボードで書いた文章は、
簡単にコピーや修正ができるため、
後で編集しやすいです。
また、検索機能を使えば、
必要な情報をすぐに見つけられます。
3. データとして保存しやすい
デジタルで書いたものは
クラウドなどに保存できるため、
紛失の心配が少ないです。
手書きのノートはなくしてしまうと、
もう取り戻せません。

キーボードのデメリット
1. 気が散りやすい
スマホやパソコンを使うと、
SNSや通知が気になって
集中できなくなることがあります。
2. 記憶に残りにくい
手を動かして書く手書きに比べて、
キーボードで入力すると
記憶に残りにくいという
研究結果もあります。
3. 目が疲れやすい
長時間画面を見ていると、
目が疲れたり、肩こりの原因になる
ことがあります。
どちらを使うべき?おすすめの使い分け
手書きとキーボード、それぞれに
良い点と悪い点があります。
そのため、
目的に合わせて使い分けるのが
おすすめです。
手書きが向いている場合
- 考えを深めたいとき
→ ゆっくり手を動かすことで、
じっくり考えを整理できます。 - リラックスしたいとき
→ 手書きには、ストレスを
減らす効果があります。 - 記憶に残したいとき
→ 手書きの方が、覚えやすい
です。
キーボードが向いている場合
- とにかく速く書きたいとき
→ 速くメモを取りたいなら、
キーボードが便利です。 - あとで検索したいとき
→ デジタルなら、検索機能で
すぐに見つけられます。 - 文章を編集・整理したいとき
→ 書いた後に修正するなら、
キーボードの方が楽です。

まずは手書きでジャーナリングしてみよう
ジャーナリングをするなら、
できるだけ手で書くのがおすすめです。
なぜなら、手で書くことで
頭と心がしっかりつながり、
自分の本音や気持ちが
見えやすくなるからです。
ペンを動かしながら書くことで、
自然と考えがまとまりやすくなり、
自分の中の「ほんとうの気持ち」に
気づけることが多くなります。
キーボードで入力すると、
文字を速くたくさん書けるという
良さはありますが、その分
自分の心の動きに気づく前に
言葉がどんどん出てしまうことが
あります。
手書きはスピードがゆっくりなので、
ひとつひとつの言葉をじっくり感じながら
書くことができるのです。

それでも、どうしてもキーボードを
使いたいときや、パソコンの方が書きやすいと
感じるときもあると思います。
そんなときは、できるだけ
考えながら書くことを
意識するのがポイントです。
たとえば、文章を一気に書くのではなく、
1行書いたら少し立ち止まって、
「いま、なぜこう思ったんだろう?」
「この気持ちの奥にある本音は何かな?」
と問いかけながら進めてみると、
キーボード入力でも手書きに近い効果が
得られます。
また、キーボードで書いた後に、
特に大事だと思った言葉をノートに
手で書き写す、というやり方もおすすめです。
そうすることで、言葉がより深く
心にしみこんで、自分の中に
ちゃんと残る感覚を得られるようになります。

つまり、手書きの方が本音に
たどり着きやすいのは確かですが、
キーボードでも工夫しながら書けば、
自分と向き合う良い時間にすることは
できます。
どちらを使うにしても、
大切なのは「早く書くこと」ではなく、
「感じながら書くこと」なのです。
たかひろ | ジャーナリングガイド
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